1.説得力のある提案書にはエビデンスが欠かせません

提案・企画には自信があるけれど、客観的にその必要性をもっと強く伝えたい。そんなときに、どんな工夫をされていますか?

例えば新サービスや新製品の企画・開発を提案する場合なら、市場調査のデータを示すことで、そのサービスや商品が想定市場に需要があることを証明することができます。また、過去の成功事例や類似企業の取り組みを紹介することで、自分たちのアイデアが実現可能であることを示すこともできるでしょう。
提案内容に近いエビデンスを添えることで、相手に自信を持って提案することができます。

このページでは、新規事業の提案書を例に、基本的な企画書の骨子とそれぞれの項目で活用できるエビデンスの収集方法をご紹介します。

2.提案・企画の流れとエビデンス(新規事業の提案書を例に)

アイデア・企画の理解を得るには、提案や情報に偏りがないか疑問を持つタイミングで説得力のある背景説明があるのがベストです。
ここでは一例として、新規事業の提案書を例に、エビデンスの活用箇所と活用例をご紹介します。

新規事業の提案書の説明内容として最低限必要な骨子は、以下となります(一般的な項目を例にしています。業界や商慣習によって項目は変動します)。

新規事業提案書の骨子例

  1. 新規事業を開始する背景や目的
  2. 事業の概要(企画・アイデア)
  3. ターゲット/市場規模/競合
  4. 事業によってユーザーは何を得るのか(価値)
  5. 事業の仕組み(サービス体系・他社連携など)
  6. 開発計画・予算(見積)
  7. リスク分析
  8. ビジネス計画(売上計画・販促計画など)

骨子の項目ごとに説明資料を作成していくことになりますが、エビデンスを入れることで説得力が増す項目は、市況背景やマーケットの状況を説明する1と3です。
7のリスク分析にも、同業他社の事例や実際に起こった事象情報が役立つ場合があります。
ここからは、それぞれの項ごとで活用できる調査データやエビデンス情報の種類、収集方法を紹介します。

3.使えるエビデンスの探し方

市場動向(現市場の概況、新市場に参入するなら新市場の動向)やターゲット、競合他社などプレイヤー情報は、「日経業界分析レポート」「富士経済グループ マーケットシェアデータ」のような、調査と分析で信頼を獲得している調査会社の情報が便利です。

3-1:専門家による調査レポートを活用する

■日経業界分析レポート

日経業界分析レポートは、各業界に精通した日本経済新聞の記者が業界情報を網羅的に、分かりやすく解説した市場分析レポートです。業界の現状を把握するための市場シェアや競争環境に加え、 業界の今後を知るための市場規模予測やバリューチェーン、技術・法規制の動向、グローバル市場の影響など幅広く網羅しています。

日経業界分析レポートの概要をみる >

■富士経済グループ マーケットシェアデータ

富士経済グループマーケットシェアデータは、富士経済グループの市場調査レポートを元に市場規模、市場動向、トップシェア企業が1枚のレポートに集約されています。

富士経済グループ マーケットシェアデータの概要をみる >

3-2:政府刊行の白書・統計情報を活用する

提案する内容によっては、政府や各省庁がまとめた業界白書や統計情報が役立つ場合もあります。
マーケット調査会社のレポートのほかに、さらに俯瞰した背景情報を添えることで、市場を取り巻く社会背景の説明を強化することができます。

■製造基盤白書(ものづくり白書):経済産業省

業績・就業・投資・研究開発など、製造業全体の概況と製造業を取り巻く環境の変化や今後の取組を見ることができます。

「製造基盤白書(ものづくり白書):経済産業省」のページ >

■農林水産系の白書:農林水産省

農林水産業の各業界ごとでの業界概況、海外(輸出入)との関係性など網羅的な情報を見ることができます。

「農林水産系の白書:農林水産省」のページ >

■経済センサス:総務省

産業・都道府県別の事業所数、分布・増減などの統計情報を見ることができます。

「経済センサス:総務省」のページ >

■e-Stat(政府統計情報):総務省

e-Statは総務省の政府統計データの閲覧ができる便利な総合サイトです。
分野ごとで探したり、探したデータを使って表やグラフ化したり、日本地図にマッピングできたりと、高度な集計機能が無料で提供されています。

「e-Stat(政府統計情報):総務省」のページ >

3-3:総務省の情報通信白書を活用する

■情報通信白書

近年はサービスや製品の告知や販促に、メディアの利用特性との相性の分析が欠かせません。
消費者がどのようなメディアに多くの時間を費やしているかを参照する際には、総務省の「情報通信白書」をエビデンスとして活用できます。

出典:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(令和3年8月 総務省情報通信政策研究所)

「情報通信白書」のページ >

3-4:新聞情報を活用する

■G-Search新聞・雑誌記事横断

同業他社の動向や異業種・他地域の事例、リスク分析の参考例など、実例を報じる新聞情報はエビデンスとして信頼を得やすい情報です。
G-Searchサービスの横断検索を使えば、約150の専門業界紙誌から情報を探すことができます。

G-Search新聞・雑誌記事横断検索の概要をみる >

4.まとめ

本ページでは、提案書・企画書に添える適切なエビデンス情報の探し方として、以下の4つをご紹介しました。

3-1:専門家による調査レポートを活用する
3-2:政府刊行の白書・統計情報を活用する
3-3:総務省の情報通信白書を活用する
3-4:新聞情報を活用する

さまざまな情報源から提案にマッチするエビデンス情報を検索するのは手間がかかりますが、G-Searchサービスなら、複数のデータベースを情報をひとつのIDで使うことができます。
3-1の「日経業界分析レポート」「富士経済マーケットシェアデータ」、3-4の「約150紙誌が収録された新聞雑誌記事横断検索」をご利用の際には、ぜひG-Searchサービスをご活用ください。